2024年1月2日の夕方、羽田空港で日本航空516便と海上保安庁のみずなぎ1号が滑走路上で衝突する事故が起きました。
日本航空516便は新千歳空港から羽田空港に着陸しようとしていたエアバスA350-941型機で、乗客367人と乗員12人の合計379人が搭乗していました。
海上保安庁のみずなぎ1号は羽田航空基地から新潟航空基地に向かおうとしていたデ・ハビランド・カナダ DHC-8-Q315型機で、乗員6人が搭乗していました。
事故の原因は、管制官がみずなぎ1号に滑走路への進入を禁止する指示を出したにもかかわらず、みずなぎ1号が誤って滑走路に入ってしまったことです。その結果、着陸してきた日本航空516便とみずなぎ1号が衝突し、両機ともに炎上しました。日本航空516便の乗客乗員は乗務員の誘導により機体から脱出しましたが、乗客14人が負傷しました。一方、みずなぎ1号の乗員は機長を除いて5人が死亡し、機長も重傷を負いました。警視庁が司法解剖した結果、死亡した5人の死因はいずれも「全身挫滅」と判明しました。
この事故は、エアバスA350としては初めての機体全損事故であり、日本航空では1985年の日本航空123便墜落事故以来の機体全損事故でした。
また、海上保安庁の航空機が事故で全損したのは初めてでした。
事故の影響で、羽田空港のC滑走路は8日まで閉鎖され、多くの便が欠航や遅延を余儀なくされました。事故の詳細な原因や責任の所在については、国土交通省の運輸安全委員会が調査を進めています。
全身挫滅を解説する！
事故による挫滅とは、外部から強い衝撃や圧迫を受けて内部の組織が破壊されることです。簡単に言うと、人の体を強い力でぎゅっと押しつぶす感じです。
指とか脚とか腕とか体の一部に対してこのような状態になることを挫滅と言います。
全身に対してこのような状態になることを全身挫滅と言います。
事故によって全身挫滅が引き起こされた場合、多くの場合、治療は非常に困難を極め、直後に非常に重篤な状態になるか死亡することがほとんどです。
挫滅症候群とは？
部分的な挫滅の場合、挫滅した部位の治療の他に、救急を要する別の症状があります。それは”挫滅症候群”です。
挫滅症候群とは、体の一部が長時間圧迫された後に血流が再開することで全身に有害な物質が広がり、重篤な合併症を引き起こす状態です。このような事態を防ぐ方法は、以下のようなものがあります。
- 圧迫された部位の血流を早期に回復させること。圧迫された時間が長ければ長いほど、再灌流障害のリスクが高まります。圧迫された部位を解放する際には、慎重に行い、必要に応じて止血帯や頸椎カラーなどを使用して、さらなる損傷を防ぎます。
- 圧迫された部位の損傷度や全身状態を評価すること。圧迫された部位には、筋肉や内臓器官などが損傷している可能性があります。また、全身には、高カリウム血症や腎不全などの危険な状態が起こっている可能性があります。心電図検査や血液検査などを行って、異常を早期に発見し、適切な処置を行います。
- 圧迫された部位や全身に対して、適切な治療を行うこと。圧迫された部位には、骨折や麻痺などの後遺症が残る可能性があります。全身には、有害な物質を排出するために、大量の点滴や利尿剤、透析などの治療が必要になる可能性があります。また、人工呼吸器や不整脈の治療などの全身管理も必要になる場合があります。
以上のように、事故による”挫滅症候群”を防ぐ方法は、圧迫された部位の早期解放、損傷度や全身状態の評価、適切な治療という3つのステップに分けられます。
また、全身挫滅に関してはこのような事故に遭わないように、日頃から安全に注意することが大切です。もし、事故に遭ってしまった場合は、速やかに救急隊に連絡し、専門的な医療を受けるようにしてください。
