数年前から、ビジネスシーンでも重要視されるようになった【他人に期待しすぎない】というスタンス、皆さんも一度はどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
様々な人間関係が交錯するオンラインサロンを運営する上で、こうしたライフハック系啓蒙ワードの流行にも敏感になっておくべき。
という訳で今回は、今、流行の哲学ワード【他人に期待しすぎない】を掘り下げてみたいと思います。
【他人に期待する・しない】の定義
そもそもこの言葉、根本を誤解してしまうと特にビジネスシーンでは大変なことになってしまいます。
【期待しない】ってどういうこと?仕事しなくてもいい、ってこと??
…そんな訳ないですよね。
ライフハックとして使われている場合の「他人への期待」とは、その人が当然行うべき義務や法令遵守を行わないだろうと思いなさい、ということではありません。
その人の給与や報酬に応じた仕事をやるかやらないか。法令を遵守したかしないか。その責任は、その本人がとるもので、究極他人に関係のない事です。
この場合の、【他人に期待しすぎない】という意味の真意はまさにそこにあり、他人と自分の境界線をはっきりさせておこう、という意味なのです。
他の人が仕事をしなかったからといってその責任を取るのは仕事をしなかった本人であり、あなたではありません。
他の人のミスであなたの作業が増えたとしても、他の仕事を振られた時同様なに由来で発生した仕事だなどとは関係なく、自分の仕事としてしっかりこなす。
「あの人さえ〇〇していれば、私のこの作業はなかったはずなのに…」等とは考えない。
これが、【他人に期待しすぎない】考え方の正しい解釈です。
一見、イヤな事を全部押し付けられるだけじゃない?!と思うかもしれません。
しかし、うっかりミスや思わぬトラブルなどは誰にでもいつ起きてもおかしくないもの。これもまた現実ですし、誰しもそんなことは本心では解っていますよね。たんたんと他人由来のリカバリーするあなたの評価は上がりますし、いわばそれがその作業分のボーナス報酬のようなものです。
そして、それがうっかりミスや思わぬトラブルではなく、意図的な手抜きや利己的法令違反、計画的ないじめ目的等による業務契約内容の放棄、詐称等だった場合、社会はそんな甘いものではなく、その報いや制裁は本人が何らかの形でほどなく受けることになる、という事も、誰もはっきりと口に出しては言わないものの、心の中ではちゃんとわかっているもの。
このような誰にとっても自明のことに対して、外に向けても、内心でも、いちいち騒ぐのはやめましょう、というのが【他人に期待しすぎない】考え方なのです。
あの人はこう考えるべきなのに…は危険
本来人を縛るものは憲法、法に基づいた契約以外にはなく、全ての人の自由は完全に人権として認められているものです。
ローカルルールや、自分の倫理観がどれだけ「正しく」感じられて、それを守っていない誰かが「そのままではダメ、成長しなくては」などと感じたとしても、残念ながらそこには何の正当性も無いのです。
ですから職場において雇用時の契約通りに仕事をするのは【期待】などではなく【法規に基づいた義務】ですので、当然なのですが、それはあくまでも雇用者と被雇用者の間だけに存在している互いの義務(給与・報酬の支払いと、労働)であり、究極同じ職場にいる他の人同士の間では「仕事をして当然」という意識さえ、必要ないということになります。
厳しい言い方になりますが、自分は自分の仕事さえしておけばいい、それが他人のミスから来たものであれ、元々ある仕事であれ、関係なく、というのが現実なのです。
なかなか言うは易しで難しいのがこの【他人に期待しすぎない】ライフハックですが、とても長い間流行しているので、理解を深めておきましょう!