2022年は多くの日本人にとってNFT元年となりました。
つい先週まで、一度もNFTという単語を聞いたことも無かったが、今では毎日のようにどこかで目にしている…そんな方が多いのではないでしょうか。
今回は、新たに我々の生活に現れた「NFT」というテクノロジーによって、実際に生活にどのような影響があるのかを考えてみました。
NFTとは何か
NFTはNon-Fungible Tokenの略。 Non-Fungible とは、日本語で「非代替性」と訳されており、文字通り「替えが効かない」もの、という意味になります。
暗号資産を成立させる為の技術である「ブロックチェーン」を応用し、デジタルデータに代替不可能な刻印を付けることができる仕組みです。
NFT化されたデジタルデータは、クラウド上や、ハードディスク、何処でどのように保管されていたとしても、コピーして偽物を作ることが事実上不可能な状態になっています。
ブロックチェーンの技術とは、簡単に言えばインターネットでの取引アクションを暗号化し、一つ一つを鎖のようにつなげてしまう仕組みです。
一回の取引の記録の先には、宇宙的レベルと言えるほどの非常に多数の暗号の鎖が紐づいているため、もしもブロックチェーン上で起こったことを改ざんしようとすれば、その”総て”を一度に改ざんしなければ偽物だとバレてしまうのです。
理論上は不可能ではないのかもしれませんが、それほどのコストと時間をかけてブロックチェーンを破っても、ハッカーにも結局はメリットはありません。
つまり、事実上、ブロックチェーンの暗号の鎖で護られたデータは、現実世界で物理的マテリアルの姿形を持った”モノ”とほぼ同様の唯一無二の物質として存在できるのです。
オンライン上において、デジタルデータに、リアルな物質と同じ存在価値を与えることができる。
今までにはあり得なかった画期的なデジタルデータの所有方法が、NFTです。
NFTはこんなことに使われる
・オンライン上でのアート作品の取引に
2022年盛り上がりを見せているNFT関連ニュースの中でも、最も熱い話題の中心となっているのが
「NFTアート」
でしょう。
今までは、インターネットに美術作品を発表するということは、それが画像データであれ、音声データであれ、動画であっても、事実上複製し放題な状態だったと言わざるを得ません。
映画館に小型カメラを持ち込み、公開初回の2時間余りの作品をまるっと撮影してダウンロード販売する輩が現れ、世界各国で刑事事件になるなど、価値あるデータの違法コピーオンライン販売は社会問題となっています。
しかし、こうした問題もNFT技術の普及によって解決に向かっていくでしょう。
・各種会員証、入室カード等に活用
今まではパスワード発行で対応するしかなかった各種会員制webサイトの入室管理。
しかし、この方法では、パスワードを盗まれてしまったらおしまいです。
これからのオンライン会員証は、おそらくNFT会員証方式に移行していくでしょう。
この方法ならパスワード管理よりもずっと安全で、簡易に行うことが出来ます。
・オンラインゲームのアイテムとして
オンラインゲームのアイテムにも、NFTは使用できます。
ゲームのアイテムはそのゲームのアカウントに紐づいているので、もともと転売やコピーはされ難いものでしたが、そこを逆手にアカウント自体の売買など、グレーゾーンのお金儲けに利用されてしまう側面もありました。
しかし、アイテムがNFT化されれば、逆に堂々といらなくなったアイテムを売りに出したりできるようになり、ゲームそのもので合法的にお小遣い稼ぎができるようになる…等という未来も見えてきますね。