コンサルタント・コーチ・セミナー講師など、すでに、高額サービスを販売しているビジネスオーナーとして活躍している方は、オンラインサロンこそが、その集客を成功させるにあたっての鍵として機能していきます。
オンラインサロンに多数の見込み客を招き入れることができれば、それに超したことはありません。
しかし、有料のオンラインサロンに多数のメンバーを参加させるには、もともと高い知名度があったり、人脈が豊富だったりしない限りは難しいです。オンラインサロンの集客で苦戦している主催者は非常に多いです。
ただ、たとえ少人数を対象にしていても、サロン活動を通じて長期的に、メンバーが望む情報やエンターテインメントを提供し続け、信頼関係を築くことができれば、かなり高い割合のサロンメンバーが高額サービスの購入者になってくれることが期待されます。
そこで、心理学の研究成果をマーケティングの実践に利用できる可能性について述べた世界的なベストセラー、『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を参考に、オンラインサロンで信頼関係を構築したメンバーに対して、どのような提案をすれば、本命の高額サービスに申込みが入っていきやすいのか、検討していきます。
この記事では、『影響力の武器』で提案されている概念のうち「コミットメントと一貫性」を中心にして、ご説明いたします。
『影響力の武器』における「コミットメントと一貫性」とは?
コミットメントと一貫性(一貫性の原理)とは、人が一度でも決心したことや実行したことについて、後になってそれと食い違う矛盾ある行動や決断をしにくくなる、ひいては一度決心や実行をしたことについて、同じことをし続けたくなる人間の心理的な性質をいいます。
たとえば、「1年後はこういう自分になっていたい」という決心をしたとき、人はその決心と矛盾のない行動をとろうとします。
しかし、その行動が大変で労力がかかり、困難なものの場合、人は逃げたくなるので、その決心を忘れてしまうものです。一貫性の原理は誰にでもあるのですが、目標達成への道のりが難しい場合、人は心の中で、その一貫性を無かったことにしようとします。
しかし、その決心を紙に書いたり、他人に話したり、ブログやSNSで宣言したりすることによって、その一貫性の原理が外部へ表明されれば、その決心と一貫性のある行動を、より積極的に採ろうとするのです。
オンラインサロンをビジネスで活用する「コミットメントと一貫性」
オンラインサロンは、すでに費用を支払っているメンバーが参加しており、すでにそのコミュニティに投資をすることに抵抗がなくなっています。
そこで、さらなる別の提案をすると、今まで購入歴がなかった見込み客よりも高い確率で購入に繋がりやすくなります。それを「クロスセル(アップセル)」といいます。
メンバーはすでに、オンラインサロンの活動にコミットしていますし、その事実がお互いにサロン内で共有・公表されています。
よって、それに関連するサービスや商品についても、矛盾した行動を取りたくないし、別のかたちでも関わりたい(購入したい)と思いやすくなるのです。