オンラインサロンを運営しようと企画しているとき、「オンラインサロンでは儲からない」「オンラインサロンでは稼げない」といった言説に出会うことがあります。
こうした説は何を根拠に、そしてどのようなことを語っているのでしょう。
今回は「オンラインサロンでは稼げない、儲からない」を深堀りしていきたいと思います。
そもそも何が語られている?
「オンラインサロンでは稼げない、儲からない」説を詳しくひも解くと、おおよそ次の3パターンに分かれていることがわかります。
1・ほとんどのオンラインサロンは会員を集めきれていない、だから儲かっていない
2・プラットフォームの手数料などにかかる経費が高額だから儲からない
3・オンラインサロンは、オーナー、ユーザー共に続かない、だから稼げない
1について
おそらくこの説は、数万~数十万人を集めているオンラインサロンと、わずか十数人で運営されているオンラインサロンの格差が激しい事を根拠に語られているのだと思います。
元超有名テレビ番組出演歴のある芸能人や、実業家の方が運営するオンラインサロンは、確かに上記のように会員数も多いので、会費500円でも月額すさまじい金額が入金される計算となり、「儲かっている」イメージがあるかと思われます。
しかし、純利益率は入金金額だけでは決まりませんよね。
それだけの規模のサロンを運営するためには人件費もかかっていますし、内部での事業やイベントにもコストがかかります。
単純に、会員数が少ないというだけで儲かっているかいないかは、外側からは判断できないのではないでしょうか。
2について
この説には一定の信ぴょう性があります。
そもそも上記の有名人オンラインサロンも、大手プラットフォームで運営されているとすればある程度高率の手数料を運営会社に収めていると思われます。
一般の方となれば、もっと少額の振込金額の中からその高率の手数料を差し引かれることになるわけで、物販など他の売り上げにつながるオンラインサロンでなければ厳しい…という内情は推察できるところです。
3について
大手プラットフォームを利用すると、本当に手間いらず、初期費用いらずで誰にでも簡単にオンラインサロンが開設できてしまいます。
それだけに、開設した「だけ」で、放置されているオンラインサロンが大量にあるであろうことも容易に推察できるところでしょう。
事業で「儲ける」ためには
ここまで見てきたことで、「オンラインサロンは儲からない」という説の本質がだんだんはっきりしてきました。
どの言説も、オンラインサロン「だから」儲からない、という根拠には薄い物ばかり、という所にお気づきでしょう。
オンラインサロンであろうと、なかろうと、ある事業が「儲かる」為には売上高とコスト、借入額などすべての要素を鑑み、収支が最終的にバランスしていくかどうかが問われます。
また、理由3の飽きてしまうという所に関しては、事前に事業計画書やスタッフ間での企画案の擦り合わせが重要で、こうした問題は「オンラインサロンだけに特異に」起こることでは全くないでしょう。
更にオンラインサロンの場合大手プラットフォームを使用して作成することがありますが、この方法は初期費用を抑えることが出来る反面、純利益のフィードバックを出すためにかなりの努力が必要となる方法です。
なぜなら毎月の会員からの入金額のかなりの部分が手数料として差し引かれるために純利が上がりにくく、会員数、コンテンツ売り上げへの要求が初期段階から相当ハイレベルになるため、モチベーション、コンテンツの地力ともに実は相当量の物が求められるやり方です。
オンラインサロンは儲からない は本当か
ここまで、「オンラインサロンは儲からない」説を詳しく見てきました。
結果的に、オンラインサロンに特異な「儲からない」理由があるというよりは、他の事業すべてにおいて当てはまる理由を持ち出して、オンラインサロンを名指しで「儲からない」と称しているだけではないか?という事情が浮き彫りになってきました。
こうした言説の問題は、「オンラインサロンは儲からないんだな!それでは、この別の事業は、オンラインサロンではないから安全だ」等の認知の齟齬を起こしやすくしてしまう所にあります。
情報発信サイドは目立つ単語を組み合わせ、時に本質からかなりズレた言説を広めてくることがあります。
大切なのは、受け止める側が本質を冷静に見極め、かみ砕いて情報を活用する事ではないでしょうか。
その事業が儲かるか儲からないかは、オンラインサロンであるかどうかとは直接の関係はなく、あくまでも事業の内容に拠るものだ、という正しい認識を持つことが必要でしょう。