ここ数年、インターネットを活発に活用する男性たちを中心に、ひそかに流行の兆しをみせていた「オンラインカジノ」。
エンタメ系のサロンである場合など特に、自分が運営しているオンラインサロン内で、ユーザーたちがオンラインカジノの話題をふと出してきてもおかしくはない時代になってきています。
オンラインサロン運営者としては、このような怪しい動きがあることを把握しておくことや、関係する法律の知識をしっかりとアップデートしていく心構えは大切です。
今回は、2022年10月に警視庁から改めて出されたオンラインカジノに関する注意喚起について詳しく見ていきます。
「オンラインサロンは犯罪です!」との注意喚起がニュースに
先述したように、2022年の10月、警視庁が改めて公式サイトでのPDF配布等を通じてオンラインカジノへの注意喚起を行い、その事が様々な媒体でニュースとして取り上げられました。
改めて出された警視庁からの注意喚起の内容は次のようなものです。
オンラインカジノは、海外の事業者が合法的に運営しているものであれば、日本国内で、個人的にこれを利用しても犯罪にならないと考えていませんか?
海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。
実際にオンラインカジノを利用した賭客を賭博罪で検挙した事例もあります。
賭博は犯罪です。絶対にやめましょう。
オンラインカジノについて|警察庁Webサイト (npa.go.jp)
こちらに記載されているように、海外のオンラインカジノの中には、運営元の企業が国籍を持つ国の法律上は完全に合法であり、きちんとしたライセンスを取得し、納税も行った上で正規の事業として運営されているものもあります。
こうした背景から、日本国籍を持つ人物が日本国内からこのような”合法”オンラインカジノに接続し、アカウントを作成して利用しても、それは犯罪にはならないのではないか…?という噂が独り歩きして、いわゆる「グレーゾーン」理論となり、半ば通説のように語られる向きも過去にありました。
しかしこの通説は現行法に照らし合わせて完全に誤りであり、海外で合法に運営されているオンラインカジノであっても、日本人がそれを利用することは「犯罪」であるという現状を警視庁が改めて正式に「宣言」する形となったのが、今回の注意喚起でした。
サロン会員に「噂」を信じている人がいた場合の対処法
今回、警視庁が新たなPDFを作成するなどして改めて海外オンラインカジノ利用への注意喚起を行った背景には、まことしやかな「グレーゾーン」理論が広まっていきつつあり、それにつれて海外オンラインサロンに接続し、現金を賭けて利用する日本人の人数が増加傾向にある、と警視庁が睨んだからでしょう。
警視庁が改めて注意喚起を行わなくてはならないほどに広まった噂であれば、その噂を信じてしまっている人がオンライン上のどこにいてもおかしくないような状況である、とも言えます。
つまり、貴方が運営するオンラインサロンの会員の中にも、このような無根拠な噂をもとに、違法なオンラインカジノに手を出している人物がいるかもしれません。
会員を「知らなかった、では済まされない…」犯罪に手を染め、ついには警視庁の捜査対象になり、検挙へ…等の事態に万一にも陥らせないよう、このようなグレーゾーン的噂には常にアンテナを張り、サロン内でそのような話題が上がってきた場合に正確な情報をすぐに提供できるようにしておくことは大切です。
警視庁による、オンラインカジノ利用者の取り締まり状況
最後に、警視庁から公表されているオンラインカジノについての賭博事犯の取り締まり状況を挙げておきましょう。
賭博事犯の検挙事例
① 日本国内の自宅において、自宅に設置されたパーソナルコンピューターを使用して、海外の会社が運営するオンラインカジノサイトにインターネット接続し、同サイトのディーラーを相手方として賭博をした賭客を単純賭博罪で検挙
② 日本国内の賭客を相手方として、日本国内の賭客の自宅等に設置されたパーソナルコンピューターから、海外に設置されたサーバー上のオンラインカジノサイトにアクセスさせ、金銭を賭けさせていた者を常習賭博、賭客を単純賭博罪で検挙。
オンラインカジノに係る賭博事犯について、ここ3年では、いずれも賭博店において行われたものですが、
令和元年中 18件
令和2年中 16件
令和3年中 16件
検挙しています。
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html
いかがだったでしょうか。
どこかで耳にした出所不明の噂に基づいて、自分の運営するオンラインサロンの大切な会員が犯罪に手を染めてしまう等という悲しい出来事が決して起こらぬように、運営者としては常に正しい知識へのアップデートを行い続けることは必須です。
今後も当ブログでは、オンラインサロンに関わる皆さまにお役に立つ情報発信を心がけて参ります。