ビジネスでよく知られる言葉として「顧客満足(カスタマー・サティスファクション)」があります。
自社が提供したい(提供できる)価値よりも、顧客が受け取りたい価値を提供することを最優先とする、マーケティングを指し示す言葉でもあります。
ただし、これは顧客がお金を払って、企業から欲しいものを受け取るという、一回的な契約だけで完結してしまう関係を前提にしていました。
その一方、近ごろ注目されている新しい言葉が「顧客成功(カスタマーサクセス)」です。これは、企業が継続的に顧客と関係性を結び、顧客が望む結果(成功)へと導いていくことが、ビジネスで重要な方針だという考え方です。
月額課金で、メンバーと継続的な関係を持つオンラインサロンは、まさにカスタマーサクセスが当てはまるビジネスです。
では、カスタマーサクセスとは具体的にどういう考え方なのでしょうか。
契約がゴールではなく、スタートである
カスタマーサクセスは、顧客のクレームを処理するカスタマーサポートとも比較される言葉です。
カスタマーサポートは、買った商品が思い通りに動かないなどのクレームに対処する、どちらかというと後ろ向きのサービスだといえるかもしれません。
その一方で、カスタマーサクセスは継続的に顧客の関係を結ぶ必要がありますので、顧客に対して長期的に満足を与え続けなければならない。そのためには顧客が望む結果(成功)に導いたり、結果へこれから導かれる期待感を与える必要があるとの考えに基づいています。
たとえば、英会話に関するオンラインサロンであれば、観光旅行で不便がないとか、海外赴任で困らないとか、それぞれのメンバーが望むレベルまで英会話がうまくなることがカスタマーサクセスです。そこに主催者がどこまで関わり、どこまで実績を残せるかが、オンラインサロン成功の鍵です。
オンラインサロンは、長期継続のメンバーが多いするほど成功するビジネス
オンラインサロンのような月額課金をするビジネスは、メンバーとして加入(契約)してもらうだけではほとんど収益にならず、継続してもらうほど収益が積み上がっていくのです。
よって、カスタマーサクセスを継続することこそ、オンラインサロンの主催者のビジネス上の成功にも繋がるのです。
メンバーに見放されないよう、解約されないようにカスタマーサクセスを維持しながらサロンを運営することは、いい意味での緊張関係があります。その過程で、カスタマーサクセスが積み上がれば、口コミ効果で新規メンバーも自然と増えていき、サロンも発展していくのです。