オンラインサロンが「ブーム」といわれるようになり、様々なメディアで話題になっています。サロンに参加するだけでなく、自らサロンを運営する個人や企業も増えてきました。
日本で初めて「オンラインサロン」と呼ばれるWebサービスが展開されたのは、それほど昔のことではありません。オンラインサロンに似たサービスは、ミクシィ(mixi)など従来からいくつかありましたが、国内で初めて「オンラインサロン」という名称を使ったサイトは明らかです。
オンラインサロンの黎明期の歴史から、その運営に必要なことについて学んでいきましょう。
初めてオンラインサロンを立ち上げた女性ブロガー
女性ブロガーの玉置沙由里さんが、月額1,000円の有料ブログの登録者を「パトロン」と呼んだ実験的なオンラインコミュニティ、「MG(X)」が、日本初のオンラインサロンだと位置づけるのが一般的です。立ち上がったのは、2011年8月です。
月1万円の「大口パトロン」にも、少なくない申込みがあったといいます。
このように、月額会費の金額ごとに、サロン内でのサービスなどに差を付けるシステムが、当初から設定されていたのは画期的です。
現在では多くのオンラインサロンが、一律定額の会費を設定していますが、サロンに対する思い入れが強く、経済的に余裕のあるメンバーから多額の会費を受け取って、その代わりにいい意味での「えこひいき」をすることは、主催者もそのメンバーも満足度が高まります。
クラウドファンディングも、擬似的に「大口パトロン」を募るシステムになりえます。
「MG(X)」をサポートした専門家が、プラットフォームを立ち上げた
『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』などの著者で、今では「スーパーサラリーマン」としても知られる田村健太郎さんが、翌年の2012年に立ち上げた、オンラインサロン専門のプラットフォームが、脳の神経細胞をその名に冠した「Synapse(シナプス)」です。
オンラインサロン自体が新しかった時代に、そのプラットフォームを設置する大胆さが注目されて、はあちゅう(伊藤春香)さんや、梅木雄平(Umeki)さんなど、ネット上で知名度が高い主催者が、いち早く独自のオンラインサロンを立ち上げたため、にわかに注目を集めました。
「Synapse」は現在、DMM.comに買収されて、「DMMオンラインサロン」として現存しています。
はあちゅうさんやUmekiさんは、Twitterで大勢のフォロワーと知名度を獲得していましたので、その知名度をサロン集客に移行させたかたちです。Twitterのフォロワーは、お金を支払う顧客に転換しづらいとされていますが、万単位の大勢のフォロワーがいる人なら、その数百分の一でもサロンに参加してくれれば、十分に採算が合うのです。