お笑いコンビ、オリエンタルラジオの中田敦彦さんは、独自のオンラインサロン「PROGRESS(プログレス)」を運営しています。中田さんが最も力を入れているのがYouTube活動です。
オンラインサロンのメンバーは、中田さん自身のチャンネルである「中田敦彦のYouTube大学」の収録現場を観覧できる権利があります。また、自分でもYouTube活動を進めていきたいメンバーは、中田さんから直接の指導を受ける機会もあります。
その中田敦彦さんが提唱しているのは、「オンラインサロンは新宿御苑である」という説です。
新宿御苑とは、明治時代に東京・新宿につくられた国営の農事試験場が、皇室の庭園となり、やがて一般に開放された都市型の公園です。その公園とオンラインサロンには、どのような関係があるのでしょうか。
無料オンラインサロンは、メンバーが多く集まりやすいが……
新宿御苑は、誰でも入れる公園ですが、入場料が500円かかります(2020年現在。高校生以上の学生や65歳以上の入場者は250円)。この入場料があるだけで、公園の中にその秩序を乱そうとする人が入ってこないため、場も汚れないし、他の公園よりも高い安全性を確保できるのです。
オンラインサロンも、無料よりも月会費をもらって運営したほうが、荒らし目的のメンバーが最初から入ってこず、炎上の可能性をずっと抑えることができるというのが、中田敦彦さんの説です。
よって、オンラインサロンの月会費は、主催者の収益やサロン運営費用になるだけでなく、サロン内の治安を守るための「防波堤」にもなるといいます。
確かに、無料のオンラインサロンは多くのメンバーが集まりますが、会費がなく誰でも入れれば、荒らされるおそれが高まります。誰にでも開放された一般的な公園も、善良な人だけでなく悪意がある人も出入りしますので、ゴミが散乱しやすかったり、風紀が乱れたりもします。それと同様です。
その一方で、無料のオンラインサロンは意外と盛り上がらないことがあるのも確かです。無料ならば、別に積極的に参加しなくても、メンバーは損をしないからです。つまり、オンラインサロンへの各メンバーの思い入れや関わりがすぐに薄れやすい弱点もあります。
「新宿御苑理論」は絶対ではない
有料のオンラインサロンや新宿御苑に入る人々は、中で得られる体験を大切にしようとしますし、場を乱したりもしません。
ただ、有料にすれば絶対に安全かといえば、そうとも言い切れません。
ある有名人の有料オンラインサロンが、炎上して閉鎖に追い込まれたことがあります。その運営方法があまりにも自分勝手だと指摘され、その様子が外部に漏れたために、サロンメンバーではない部外者から一斉に叩かれてしまったからです。
いくら、オンラインサロンの中の出来事を「外に漏らさない」というルールがあるとはいえ、主催者の運営方法がメンバーを軽く見た自分本位なものですと、厳しく批判され、閉鎖にまで追い込まれるリスクがあります。くれぐれも気をつけて進めましょう。