オンラインサロンを運営しているとき、最も大変なことのひとつに、メンバーからのクレーム処理があります。
クレーム処理は、大企業では専属の部署があるほど難しくて労力を使います。ネガティブな言い分をとにかく聞いて、肯定し続けなければならず、神経を磨り減らします。クレーム処理が「感情労働」といわれるゆえんです。
しかし、クレームのほとんどは、事前にルール化したり、入会前後の説明文を整備したりして対処できます。
では、どのようにすれば、クレームに対応できる内部ルールや説明文をつくれるのでしょうか。
まずは、退会規定を明確にルール化する
オンラインサロンが平穏に運営されていくためには、運営者とメンバーが守るべきルールを、文章に起こすことが必要です。ルールを文章にせず、暗黙の了解にしたい気持ちはわかりますが、文章に書かれていないルールは守りようがありません。あいまいな暗黙の了解を盾に、クレームに反論しようとするから、こじれてトラブルに発展するのです。
まずは、「退会規定」を整備しましょう。こういうメンバーは、このオンラインサロンに要らないという、主催者の明確な意思表示です。厳しくするのも、ゆるくするのも、「どんなサロンを作りたいか」という主催者のビジョンによりますので、正解はありません。
もちろん、退会規定は、メンバーの直接の利害関係に関わることですから、メンバーにも必ず意見を募った上で決めましょう。最初の立ち上げ時にしっかりと退会規定を定めておけば、メンバーに確認して決を採る手間は省けます。
退会規定を先につくると、それより穏当な、メンバーが普段守るべき運営マナーや手続きなども作りやすくなります。こうしたマナーや手続きなども、文章化・マニュアル化しておくことが重要です。
ルールやマナーの文章が多ければ多いほど、サロンの雰囲気が窮屈になりやすい弊害もありますが、クレームには対応しやすくなります。
ただし、規定は「ほぼ読まれていないもの」と心得ておく
キングコングの西野亮廣さんが嘆いていた話ですが、退会時には「Facebookグループの退会ボタンを押すだけでなく、退会届の手続きもしてください」と、ハッキリ書いているにもかかわらず、「退会ボタンを押したのに、会費のクレジット決済が止まらない」とのクレームが一時期たくさん寄せられたのだそうです。
運営者は、すでに目立つ場所に文章で説明しているので、悪くありません。
それほど「サロンのルールはほとんど、メンバーに読まれてすらいない」のです。
どうしても守って欲しいルールは、5行ぐらいにまとめて、入会時に必ず見せることも有効です。